私はこの道三十年以上の水道職人として数え切れないほどの地中水漏れ現場を見てきましたが、お客様が一番気にされるのはやはり修理にいくらかかるのかという点です。電話で概算を聞かれることも多いのですが、地中の修理ほど現場を見てみないと分からないものはありません。費用の決まり手となるのは、主に漏水箇所の特定にかかる手間と、配管が埋まっている深さ、そして地表の状況の三点です。音聴棒一本でパッと場所が分かることもあれば、ガスを使って数時間かけても特定が難しい現場もあり、この調査の難易度がまず第一の分岐点になります。次に深さですが、最近の住宅は五十センチメートルから六十センチメートル程度に埋まっていることが多いですが、古い家だと一メートル以上の深い場所に埋まっていることもあり、そうなると掘り起こす労力は倍増し、人件費もその分上乗せされます。そして何より大きいのが地表の仕上げです。土を掘るだけなら簡単ですが、おしゃれなタイルや厚いアスファルトの下となると、専用の機械が必要になり、廃材を捨てるのにもお金がかかります。お客様の中には「ただ管を一本直すだけなのに、なぜ十万円もするのか」と驚かれる方もいますが、その内訳の多くは配管そのものの値段ではなく、そこへ辿り着くための作業と、元の姿に戻すための手間賃なのです。また、築年数が経っている家の場合、一部を直したことで水圧が正常に戻り、それまで弱っていた別の箇所が耐えきれなくなって数日後にまた別の場所から漏れ出すという悲劇もたまにあります。そうなるとまた調査費と掘削費がかかってしまうため、私は現場の管の状態を見て、場合によっては一部の修理ではなく、全交換を勧めることもあります。それが結局はお客様の財布を守ることにつながるからです。地中の水漏れ修理は、単なる部品交換ではなく、建物のインフラを再生する重要な工事だと考えています。信頼できる職人は、安さだけを強調するのではなく、将来のリスクも含めた丁寧な説明と適正な見積もりを提示するはずです。
ベテラン職人が語る地中の水道管水漏れ修理費用の決まり方