一般的に、住宅の設備機器や配管の寿命は十五年から二十年程度と言われています。特に洗面台の排水系統は、石鹸カスや髪の毛、皮脂汚れなどが蓄積しやすく、それらが酸やアルカリとなって配管を内側から腐食させることがあります。また、ジャバラ状の排水ホースは合成樹脂で作られていることが多く、年月が経つにつれて柔軟性を失い、硬化してひび割れが生じやすくなります。この劣化が最も危険なのは、床下の見えない位置で発生した場合です。床下でホースに亀裂が入ると、流した水がダイレクトに床下の基礎部分に流れ込みます。最近の住宅は気密性が高いため、一度床下に水が入ると湿気が逃げ場を失い、基礎のコンクリートや土台の木材を常に湿った状態に保ってしまいます。これが続くと、木材朽朽菌が繁殖して住宅の骨組みを脆くさせるだけでなく、シロアリを呼び寄せる絶好の環境を作り出してしまいます。築十年を超えたら、一度もトラブルがなくても専門業者による点検を受けるのが理想的ですが、自身で行える対策もあります。例えば、排水口に市販の洗浄剤を定期的に流して汚れの蓄積を防ぎ、配管内の圧力を一定に保つことや、収納スペースに過度な荷物を詰め込んで配管を圧迫しないようにすることなどが挙げられます。また、床下点検口が洗面所の近くにある場合は、時折蓋を開けて中の様子を確認し、カビの匂いがしないか、湿った空気が上がってこないかをチェックするのも有効です。住宅を長持ちさせるためには、表面的な綺麗さだけでなく、床下という「家の内臓」とも言える部分の健康状態に気を配ることが欠かせません。配管の劣化は避けて通れない自然現象ですが、それを放置せず適切に対処することで、家全体の資産価値を維持し続けることが可能になるのです。もし洗面台の扉を開けた時にカビ臭さを感じたり、床板が以前より冷たく感じたり、あるいは壁紙にシミが出てきたりしたならば、それは床下からのSOSかもしれません。被害が表面化してからでは遅すぎます。少しでも疑わしい点があれば、すぐに点検を行い、床下の乾燥と配管の修理をセットで考えるようにしましょう。