洗面台から漏れた水が床下に滞留するという事態は、単に建物が濡れるという以上の二次被害を引き起こします。まず、床下という暗く風通しの悪い場所に水分が供給されると、驚くべき速さでカビが増殖します。カビは木材の表面を覆うだけでなく、目に見えない胞子を空気中に放出し続けます。この胞子が床の隙間や配管の立ち上がり部分から室内に流入すると、住んでいる人の呼吸器に悪影響を及ぼし、喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの健康被害を誘発する恐れがあります。さらに深刻なのが、シロアリによる食害です。シロアリは湿った木材を好み、わずかな水分を感知して遠くからでも集まってきます。洗面台の床下漏水によって土台が湿っていると、そこはシロアリにとって最高の餌場となります。シロアリは木材の内部を食い進むため、外見からは被害が分かりにくく、気づいた時には柱の中身が空洞になっていたというケースも珍しくありません。このような連鎖的な被害を防ぐための防御策として、最も重要なのは「床下を乾いた状態に保つこと」に尽きます。もし水漏れが見つかったら、配管を直すのは当然として、必ず床下の清掃と乾燥、そして殺菌消毒を行うようにしてください。被害を受けた木材が軽微であれば乾燥させるだけで済みますが、腐朽が進んでいる場合は早急な交換が必要です。また、再発防止のために、水漏れ検知センサーを洗面台の下に設置するという方法も現代では普及しています。センサーが水分を感知するとスマートフォンに通知が届く仕組みで、これを利用すれば床下へ浸水する前にトラブルを食い止めることができます。住まいの健康を維持することは、家族の健康を守ることと同義であり、床下の環境を清潔に保つことはそのための第一歩なのです。「水が止まったから安心」と自己判断せず、必ずプロの診断を受けて、床下まで完全に復旧させるようにしましょう。早急かつ適切な初期対応が、その後の家のダメージを最小限に抑える鍵となります。
洗面所の床下に溜まった水がカビやシロアリを呼び寄せる仕組みと防御策