築年数が三十年を超えた木造戸建て住宅において、庭の片隅が常に湿っているというご相談を受け、現場調査を実施しました。前日に雨が降ったわけでもないのに特定の箇所の土がぬかるんでおり、周囲には苔が繁殖しているという典型的な地中漏水のサインが出ていました。水道メーターを確認すると、秒針のようなパイロットが一定の速度で回り続けており、家主様が気づかないうちに毎日相当な量の水が地中に消えていることが判明しました。このケースでは、まず音聴棒を用いて漏水位置を絞り込みましたが、ちょうどその真上に立派な庭木が植わっており、木の根が配管を圧迫して亀裂を入れている可能性が高いと推測されました。このような障害物がある現場では、通常の修理よりも手間がかかるため、費用も上昇する傾向にあります。工事を開始して地面を慎重に掘り進めると、やはり太い木の根が配管に絡みついており、その圧力で塩化ビニル管の継ぎ目が外れかかっていました。修理にあたっては、根の影響を受けにくいように配管の経路をわずかに変更し、耐久性の高い耐衝撃性ポリエチレン管への交換を行いました。この事例での総費用は、調査費と手作業による深い掘削、配管の移設、そして埋め戻し作業を合わせて約十二万円となりました。作業時間は丸一日を要しましたが、お客様からは水道代の不安が解消されただけでなく、地盤沈下の心配がなくなったと安堵の声が聞かれました。老朽化した住宅における地中トラブルで特に注意すべきは、一箇所の修理で満足してはいけないという点です。今回の現場でも他の配管の腐食が進んでいたため、近い将来に別の場所で漏水が発生するリスクがあることをお伝えしました。実際に、一部を直したことで水圧が正常に戻り、それまで耐えていた別の弱い箇所が破損するという二次的なトラブルは非常に多く発生します。このような場合は、その都度数万円を支払って部分補修を繰り返すよりも、長期的な維持管理コストを考えれば、敷地内全ての配管を新しく引き直す「全更新」という選択肢が合理的です。全更新には数十万円の費用が必要ですが、その後三十年以上の安心が得られるため、住宅の寿命と照らし合わせて最適な修繕計画を立てることが、結果として家計を守ることにつながります。
老朽化した戸建て住宅における地中配管トラブルの修理事例