トイレのレバーを操作したとき、水が勢いよく流れずに、溜まった水がゆっくりと時間をかけて少しずつ引いていく…これは、トイレが完全に詰まってしまう手前の「つまりかけ」のサインかもしれません。完全に詰まるほどのひどい状況ではないため、ついそのまま使い続けてしまいがちですが、この状態を放置しておくと、やがて水の通り道が完全に塞がってしまい、水が便器から溢れ出すなどの深刻なトラブルにつながる可能性が非常に高いです。少しずつでも流れる段階で、適切な対処を行うことが重要です。トイレが少しずつしか流れない原因のほとんどは、排水路内での部分的な詰まりです。一度に大量のトイレットペーパーを流した、排泄物の量が多かった、あるいは流してはいけないもの(ティッシュペーパー、キッチンペーパー、お掃除シート、タバコ、髪の毛、子供のおもちゃなど)を誤って流してしまい、それが排水路の途中で引っかかっているなどが考えられます。まだ水の逃げ道がわずかに残っているため、完全に詰まらず少しずつ流れる状態になっています。この「少しずつ流れる」つまりかけの段階であれば、ご自身で解決できる方法がいくつかあります。まず手軽に試せるのが、約40℃~60℃くらいのぬるま湯を便器にゆっくりと注ぎ、数十分から一晩放置する方法です。お湯の温度で詰まりの原因となっている紙類や汚物をふやかす効果が期待できます。熱湯は便器を傷める可能性があるので絶対に使用しないでください。次に効果的なのが、ラバーカップ(スッポン)を使った方法です。便器の排水口に隙間なく密着させ、押し引きを繰り返すことで詰まりを解消できることがあります。ラバーカップがない場合は、ビニール袋などで代用したり、真空式パイプクリーナーを使ったりする方法もあります。市販の液体パイプクリーナーも効果がある場合がありますが、製品の注意書きをよく読んで使用してください。
トイレが完全に詰まる前に少しずつ流れる段階で対処